マルシロン(LEP)
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新しい月経困難症治療薬「マルシロン」

2026年9月1日、新しい月経困難症治療薬「マルシロン」が発売されました。当院でも処方を始めています。
マルシロンは、黄体ホルモン「デソゲストレル」と、卵胞ホルモン「エチニルエストラジオール(以下EE)」を含む、超低用量のLEP(月経困難症治療薬)です。これまでのお薬にはなかった、次のような新しい特徴があります。
マルシロンの何が新しいのか
① デソゲストレル含有で初の保険適用・超低用量
デソゲストレルを含むお薬で、初めて健康保険が使えるようになりました。しかも、デソゲストレルを含むお薬では初めての超低用量(EEが0.02mg)です。
② 月経のタイミングを自分で決められる
24日〜80日の間、続けて服用でき、その範囲であれば月経のタイミングをご自身で決められます(アクティブコントロール)。
③ いつでも飲み始められる
月経周期にかかわらず、いつでも飲み始められます。
Point 1
① デソゲストレル含有で初めての保険適用・超低用量
マルシロンの成分は、避妊薬のマーベロン・ファボワールと同じく、黄体ホルモンのデソゲストレルと卵胞ホルモンのEEです。違いは、含まれるホルモンの量です。
| マーベロン・ファボワール | マルシロン | |
|---|---|---|
| 主な目的 | 避妊 | 月経困難症の治療 |
| 費用 | 自費 | 健康保険が適用されます |
| 黄体ホルモン | デソゲストレル | デソゲストレル |
| 卵胞ホルモン(EE)の量 | 0.03mg | 0.02mg(超低用量) |
EEが少ないことの意味
ピルの重い副作用である血栓症は、EEが原因の一つとされています。そのためEEの量は、できるだけ少ないほうが望ましいと考えられています。マルシロンは、EEを0.02mgまで少なくしたお薬です。
デソゲストレルの特徴
デソゲストレルは、ほかの黄体ホルモン(ノルエチステロン、レボノルゲストレル)と比べて、男性ホルモンのような作用が比較的弱いのが特徴です。
ほかのLEPやピルを飲んで、かえってニキビが悪化してしまう方もいらっしゃいます。これまでデソゲストレルを含むピルは、避妊用(自費)のマーベロン・ファボワールしかありませんでしたが、マルシロンの登場により、月経困難症でお悩みで、ニキビや肌荒れも気になる方にとって、新しい選択肢ができました。
※マルシロンは月経困難症の治療薬であり、ニキビの治療薬ではありません。これまでのお薬で肌の調子が気になった方は、お薬選びの際に医師へご相談ください。
Point 2
② 月経のタイミングを自分で決められる「アクティブコントロール」
マルシロンは、最初の24日間は続けて服用します。そのあとは、最長80日目まで、ご自身の都合に合わせていつお休みしてもかまいません。4日間お休み(休薬)すると、月経(消退出血)がきます。
お仕事や旅行、大切な予定に合わせて、月経の周期をご自身でコントロールできるのが大きな特徴です。休薬のタイミングの決め方は、処方時に詳しくご説明します。
Point 3
③ いつでも飲み始められます
従来のLEPやOC(ピル)は、初めて服用するときは「月経の初日から」飲み始めるのが基本でした。マルシロンは月経を待たずに、いつでも飲み始められるので、始めやすいお薬です。(月経の初日以外から始める場合は、妊娠していないことを確認してから開始します。)
飲み始めの1週間はコンドームを
飲み始めてから1週間は妊娠の可能性があるため、必ずコンドームで避妊してください。
もっとも、どのようなピルを服用している場合でも、性感染症の予防にはコンドームが必要です。安心・安全のために、ピル服用中もコンドームの併用が原則です。
※マルシロンは月経困難症の治療薬で、避妊を目的として処方するお薬ではありません。避妊をご希望の方は低用量ピル(OC/LEP)のページをご覧ください。
Side effects
副作用・服用できない方
マルシロンにも、従来のピルと同じように、服用できない方(禁忌)や注意点があります。
飲み始めにみられることがある症状
飲み始めには、軽い吐き気、頭痛、腹痛、乳房の張りや痛みなどが出ることがあります。これらは軽いもので、多くの場合、数日でおさまってきます。また、続けて服用している間に、少量の不正出血がみられることがあります。気になるときはご相談ください。
重い副作用:血栓症
重い副作用に血栓症(血のかたまりが血管をつまらせる状態)があります。超低用量のピルは、この血栓症のリスクを減らすために開発されてきましたが、リスクはゼロではありません。
次のような症状があったら、すぐに服用を中止し、処方を受けた医療機関に連絡しましょう。症状が強い場合や休診時は、救急医療機関を受診してください。
- 経験したことのないような激しい頭痛
- 胸の痛み
- 視野の一部が欠ける、見えにくい
- 脚の痛み・腫れ・しびれ・赤み・熱っぽさ
マルシロンを服用できない方
次のような方には処方できません。
- マルシロンの成分でアレルギーなどを起こしたことがある方
- 乳がん・子宮体がん(子宮内膜がん)など女性ホルモンの影響を受けるがん、子宮頸がん、またはその疑いがある方
- 原因がわかっていない不正出血がある方
- 血栓症(血栓性静脈炎・肺塞栓症など)、脳卒中などの脳の血管の病気、心臓の血管の病気がある方、またはかかったことがある方
- 35歳以上で、1日15本以上たばこを吸う方
- 前兆(チカチカした光が見えるなど)をともなう片頭痛がある方
- 肺高血圧症や心房細動などをともなう心臓弁膜症の方、細菌性心内膜炎にかかったことがある心臓弁膜症の方
- 血管の合併症(腎臓や目の合併症など)がある糖尿病の方
- 血が固まりやすい体質の方、抗リン脂質抗体症候群の方
- 手術前4週間以内・手術後2週間以内・出産後4週間以内の方、長い期間安静にしている方
- 重い肝臓の病気がある方、肝臓に腫瘍がある方
- 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の異常)がある方
- 高血圧の方(軽いものを除く)
- 以前の妊娠中に、黄疸・長く続く全身のかゆみ・妊娠ヘルペスにかかったことがある方
- 妊娠中の方、妊娠している可能性がある方
- 骨の成長が終わっていない可能性がある方
このほかにも、注意が必要な場合があります。持病や飲んでいるお薬(ほかのピルを含む)は、診察時に必ずお知らせください。
Fee
費用
| マルシロン(月経困難症の治療) | 健康保険が適用されます(診察料・お薬代は保険の負担割合に応じます) |
FAQ
よくあるご質問
マルシロンはどんな方に向いていますか?
つらい生理痛などの月経困難症でお悩みの方が対象です。月経のタイミングをご自身で調整したい方、エストロゲンの量が少ないお薬を希望される方、これまでのお薬で肌の調子が気になった方にもご提案しています。お身体の状態を確認したうえで、合うお薬を一緒に選びます。
月経が来ていなくても飲み始められますか?
はい。マルシロンは月経の周期にかかわらず飲み始められます(月経の初日以外から始める場合は、妊娠していないことを確認します)。飲み始めてから1週間は妊娠の可能性があるため、コンドームで避妊してください。
今、ほかのピルを飲んでいます。マルシロンに切り替えられますか?
切り替えのご相談も承ります。現在のお薬の飲み方によって切り替え方が異なるため、診察時にお知らせください。
☆当院でもマルシロンの処方を開始しました。いつでもご相談をお受けしております。
お気軽にご相談ください
あなたの目的や体質に合わせて、続けやすいお薬をご提案します。
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