☆子宮内除去術、妊娠中絶に関連しての新情報

投稿日:2016年2月18日|カテゴリ:お知らせ

より体に優しい手動式吸引法「MVAシステム」が日本でも可能になりました。

流産や、妊娠中絶では、子宮内容除去術が行われますが、その方法として日本では従来より掻爬術(小さなスプーンのような器具で内容を掻き出す)が行われてきました。
掻爬術は熟練を要するため、世界的には危険度が高いといわれている技術ですが、日本では医療水準が高く医師の熟練が十分であるため、掻爬手術によるリスクが大変少ないからです。

しかし、吸引法では子宮内膜を掻きすぎないので、後の妊娠への影響が少ない可能性があること、手術時間が短縮され、患者さんへの負担が軽くなることなどから、施設によっては、機械吸引による吸引法が併用されてきました(当院も15年以上前から吸引法を行っております)
ただし、機械吸引では、使用するカニューレ(子宮内に挿入する器具の部分)が金属製のため、挿入するためには子宮の入り口を大きく開かなければいけないこと、そのため痛みが生じるので麻酔が必要になること、まっすぐで子宮のカーブに沿わないので取り残しがでやすいことなどの欠点がありました。

一方、手動式の吸引用子宮カテーテル「MVAシステム」はプラスチック製のしなやかなカニューレのため子宮口の開大はより少なくて済み、子宮頸部への局所麻酔だけでできるとされています。
やわらかいので子宮に沿って挿入することが可能です。また、使い捨てですので、感染のリスクがありません(もちろん日本では金属製吸引器も十分に消毒を行っており、感染等の問題が起きたという報告はありません)
途上国など、医療が不十分な地域では、麻酔や消毒、その他の検査などを十分に行えないため、こういった使い捨ての器具の必要性が大変高いといえますが、現在の日本ではすでに十分な医療水準にあるため、あえて、麻酔をかけずに手動式吸引を行う意味はあまりない(術後、少しでも早く帰りたい、などの事情がない限り、痛みがないのがよい、という方が多いのではないでしょうか。)と思いますが、「内膜を取りすぎない」という点、「使い捨てである」という点は注目すべきと思われます。

今までは、極一部の医療機関で自己輸入され、使われていたようですが、このたび、日本でも輸入販売が開始となったため、当院でも採用を検討中です。
興味のある方はご相談ください。